2月24日。ちょうど良い。 令音の琴里も、今日は有給を取って一日家にいる日だ。 その間に、令音と話をつけることができれば── と。士道は首をふるふると振った。 なんにせよ、まずは十香をなんとかしなければ始まらないだろう。 士道は小さく息をつくと、再び視線を前に向けた。 天宮駅前から五河家までは、徒歩でおよそ十分ほどの距離がある。道中で琴里と会ってしまわないよう祈りながら、士道は商店街の中を歩いていった。